- ダイエットにはタンパク質がいいっていうけど、どうして?
- 脂質は太りそうだから炭水化物を多くとろうかな。
- タンパク質と組み合わせるならなにがいい?
そんな疑問はありませんか?
ダイエットするとき「タンパク質がいいよ」と聞きますが、どうしていいのかわからない人も多くいます。タンパク質ダイエットのやり方を知らないことで間違った食事ダイエットをして逆に太ってしまうかもしれません。
結論から言えばタンパク質、脂質、糖質の中でも、タンパク質がダントツに痩せやすい栄養素です。しかし、タンパク質のみではエネルギーが足りません。エネルギーをとるためには脂質や糖質が必要ですが、糖質はとりすぎると中性脂肪になって体脂肪が増えます。脂質とタンパク質の組み合わせが太りにくくお腹も減りにくく最強の組み合わせです。
ここでは、タンパク質と糖質、脂質のそれぞれの特徴と効果、どのように食べれば効果的なのかについて、くわしく解説していきます。
今すぐタンパク質が痩せやすい理由と効果的な食べ方を知りたい方はこちらをチェック≫
三大栄養素の違い
三大栄養素とは炭水化物(糖質)、脂質、タンパク質です。
三大栄養素とは、エネルギー産生栄養素ともいわれエネルギーの源となる栄養素のことをいいます。
エネルギーを作らないですが体の調子を整える成分として「ビタミン・ミネラル」を含めて五大栄養素ともいいます。
車で例えるなら
- 脂質・糖質は力や熱になるガソリン
- タンパク質は体をつくるボディ・エンジンの材料
- ビタミン・ミネラルは体の調子を整えるオイル・潤滑油
のようなイメージです。
炭水化物とは
炭水化物は脳や体を動かすといった主にエネルギー源として利用される栄養素です。
炭水化物は大きく分けて「糖質」と「食物繊維」に分かれます。
それぞれの役割は⇩のとおり
糖質:食物として体内にとりいれられエネルギーのもととなる。主なカロリーとして体を動かすために必要なもの。
食物繊維:人の消化酵素によって消化されない、食物に含まれている難消化性成分。食べるメリットは急激な血糖上昇を抑えたり、便の容積を増やしたりして体を整える効果があります。
炭水化物はコメ、めん類、イモ、果物、菓子類、砂糖などに多く含まれます。糖質を摂りすぎた場合、余った糖質はインスリンによって中性脂肪に変えて脂肪細胞にため込むようになります。
炭水化物を摂りすぎた場合、血糖が体で変化して体脂肪になります。血糖が高い状態が続くと糖尿病になる危険性があります。
脂質
脂質を摂取すると脂肪酸に分解され、主にエネルギー源として使われます。
脂質は動物性と植物性に分かれます。動物性と植物性についてエネルギーの違いはありません。
もっている人
動物性脂質と比べて植物性脂質のほうが健康にいいの?
答えは動物性と植物性の両方をバランスよく摂ることが大事。
動物性脂質でも魚脂の場合は、DHAやEPAといった血栓予防として効果がある脂質があります。
脂質は油、バター、ラードなど、まさに「あぶら」に多く含まれています。脂質を摂ると体の中では主に中性脂肪とコレステロールが体に入ります。それぞれの役割は
中性脂肪:糖質の不足を補い、体を動かすエネルギー源となる。体温を一定に保つ
コレステロール:細胞膜や体の働きを微調整するホルモン、胆汁酸(脂肪を吸収・消化するもの)を作る
脂質を摂りすぎた場合、血液中の中性脂肪がふえて悪玉コレステロール(LDL)が増えます。
タンパク質
タンパク質を摂取するとアミノ酸へ分解され体に吸収されます。主に筋肉や臓器、血液をつくる材料として使われます。炭水化物や脂質が不足するとエネルギーとしてタンパク質が使われます。
タンパク質は大きいため一度細かく分解されアミノ酸となり体に吸収されます。体に吸収された後、血液中でアミノ酸⇨タンパク質へかわり、タンパク質が血液を流れて必要なところに使われます。
タンパク質は肉、魚、大豆、大豆製品、卵などに含まれています。注意点は糖質や脂質と違い食事に含まれるタンパク質がそのまま体に吸収される量ではありません。
悩む人
食事のタンパク質が100%吸収されないってどういうこと?
食事中のタンパク質のアミノ酸に偏りがあるから、吸収された後タンパク質になる量が減ります。
タンパク質は20種類のアミノ酸から作られています。食事中のタンパク質は一度分解されアミノ酸となり体に吸収されます。そして、体の中でアミノ酸が集まってタンパク質を作ります。食事中のタンパク質は食材によってアミノ酸に偏りがあるため、20種類の中の一番少ないアミノ酸量からタンパク質が作られます。
詳しくは≫プロテインってなに?タンパク質でありアミノ酸のこと。基本を解説!で解説しています。
タンパク質を摂りすぎた場合、腎機能が低下するかもしれません。しかし、摂りすぎる心配はありません。なぜなら体重kgの4倍以上のタンパク質gを摂らないと過剰になりません。例えば、体重が60kgの人なら240gのタンパク質で4倍なので、鶏胸肉なら毎日1kg、豚肉なら毎日2kg摂らないと過剰になりません。詳しくは≫プロテインって安全?タンパク質を補給するのにおすすめ!高タンパク食は腎臓や肝臓には問題ないで解説しています。
タンパク質は痩せやすい魔法の栄養素で太りにくい
タンパク質を多く食べたほうが痩せるってなぜでしょう?
タンパク質が脂質や糖質とくらべて痩せやすい理由は結論からいうと、
「タンパク質は食べたカロリーの一部なかったことにする」
からです。
具体的に言えば、タンパク質を食べたらカロリーを摂ると同時に消化吸収自体にもエネルギーを使います。これを食事誘発性熱産生といい、タンパク質は約30%です。
タンパク質を100kcal摂れば30kcalがエネルギーとして消費するイメージです。このことから食事にタンパク質を多くとり入れるだけでカロリーを消費しやすくするので痩せやすいです。
三大栄養素の摂取カロリーや食事誘発性熱産生について解説します。
タンパク質、脂質、糖質の摂取カロリーについて
摂取カロリーとは三大栄養素から摂ることができるカロリーのことです。
三大栄養素の1gから摂ることができるカロリーを表にしたのがこちら⇩
摂取カロリー/g | |
脂質 | 9 kcal |
糖質 | 4 kcal |
タンパク質 | 4 kcal |
商品のパッケージ裏に書いてあるカロリー計算は上記の摂取カロリーから導き出しています。それぞれの栄養素のグラム単位でのカロリーを知ることで、食事したカロリー計算がしやすくなります。
全部の食事を計算するのは大変なので私はカロミルを使って計算しています。食事メニューを入力すると自動的にカロリーやタンパク質、脂質、糖質を計算してくれます。
食事をすると消化するのにカロリーを使う【食事誘発性熱産生とは】
食事内容をタンパク質多めにすることでなぜ痩せやすくなるのでしょうか?
周りの人やネットの情報から「タンパク質を食べると痩せる」と知っても、なぜ痩せるのか疑問に思いますよね?
タンパク質は他の糖質、脂質と比べて食事誘発性熱産生によるカロリー消費が高いから痩せやすいです。
私たちは食事から栄養を摂る際にもカロリーを消費します。カロリーを摂ると同時に消化吸収自体にもエネルギーを使います。これを食事誘発性熱産生といいます。
食事誘発性熱産生はタンパク質が約30%、脂質と糖質では約7%です。表にすると⇩のとおり
食事誘発性熱産生による消費カロリー | |
脂質 | 7 % |
糖質 | 7 % |
タンパク質 | 30 % |
例えば、同じ100kcalを摂取したとしても、タンパク質をとった場合そのうち30kcalがエネルギーとして消費されますが、脂質と糖質にかんしては7kcalほどしか消費されません。普段から糖質や脂質ばかり摂っている人の場合、食事の内容を見直してタンパク質を多めにすることによって、食事誘発性熱産生による消費カロリーを高めることができます。
タンパク質は痩せやすい栄養素だと理解してもらえたらプロテインを飲んでも太りにくい理由がわかるでしょう。食事誘発性熱産生を考えた摂取カロリーの計算を詳細にしています⇩
≫プロテインと運動について 運動しなくてもプロテインは飲んでもOK
脂質とタンパク質の組み合わせだと体脂肪になりにくいため痩せやすい
脂質が体脂肪になるから、炭水化物ばっかり摂れば体に脂肪がつかないですよね?
そういう疑問を自己解決して炭水化物を多く摂る人がいます。
結論から言うと
「糖質を摂らず、脂質とタンパク質を食べる」
と、太りにくく痩せやすいです。
炭水化物といえば、ご飯やパン、麺類などです。主食として食べている人は多いのではないでしょうか。一見すると脂肪とは関係なさそうな炭水化物ですが、体脂肪にどのような影響があるか解説します。
体脂肪と中性脂肪の関係について
炭水化物から体脂肪へ変わる話をする前に、体脂肪と中性脂肪について説明します。
体脂肪とは体に蓄えられる脂肪の総称。体重の2~3割を占めます。そのほとんどは中性脂肪からできています。
中性脂肪とは体を動かすエネルギー源。ブドウ糖がエネルギーとして体内で不足した場合、それを補うためのものです。
中性脂肪がエネルギーとして使われないと体脂肪となるため体重が増えます。
中性脂肪を増やさないことが痩せるためのコツです。
炭水化物をとると体脂肪は増えるのか?⇨増える
炭水化物とは糖質と食物繊維のこと。「脂」と書いていないので体脂肪に代わる要素がないように感じます。
実は体脂肪が増える原因は「糖質の摂り過ぎ」が関係しています。
ご飯やパン、うどん、そばなどの炭水化物を中心とした食事を摂ると食後に血糖値が急上昇します。この時、血糖値を下げるために膵臓からインスリンというホルモンが大量に分泌されます。
インスリンは血液中に増えたブドウ糖を筋肉に取り込んでエネルギー源とし、さらにグリコーゲンに変えて筋肉や肝臓にためる働きがあります。そして肝臓や筋肉にブドウ糖がいっぱいになるとインスリンは余ったブドウ糖を中性脂肪に変えて脂肪細胞にためこみます。これが体脂肪となります。
このようにインスリンの働きによって血糖値は下がりますが、必要以上にインスリンが分泌されてしまうと、次々と中性脂肪が増えてしまいます。つまり、炭水化物のとりすぎによって体脂肪が増えるということです。
炭水化物を控えて脂質とタンパク質を摂る「糖質制限」
炭水化物を避けて脂質とタンパク質を摂るメリットは
- インスリンがでにくいため脂肪を溜め込みにくい
- 動くためのエネルギーを使うには脂質から使う
インスリンはエネルギーをためこむホルモンです。インスリンがでることでブドウ糖や中性脂肪を肝臓や筋肉、体脂肪へためこみます。インスリンを少なくすることが体脂肪を増やさないコツ。インスリンが多く出る理由は炭水化物を摂ることで血液中に糖が多くなるため、糖を別の場所に運び血液中濃度を下げるためです。そのため、炭水化物を摂る量を減らせばインスリンも同様に減ります。そうすれば体脂肪も増えにくいです。
私達は体を動かすためにエネルギーを使いますが、最初に使われるのは「糖質」。血液中の糖質が少なくなったら「中性脂肪」を使ってエネルギーを補います。炭水化物を摂らなければ糖質は少なくなるため、血液中や体脂肪から中性脂肪をとり出してエネルギーを使います。結果、体の脂肪が落ちてくるため痩せます。
これらのことから食事内容を「炭水化物を控えてタンパク質と脂質を主に摂る」と痩せやすいです。
私の朝ごはんはオートミールとマヨネーズと鶏胸肉
なおさんはどのような食事を摂っていますか?
私は体重10kg以上落としてリバウンドをせず体重を保っています。その朝ごはんを食べ続けて1年以上になります。
結論から言うと
オートミール40g
卵1個
鶏胸肉100g
納豆1個
マヨネーズ大さじ2杯
です。
これでカロリーは617kcal、炭水化物は40.5g、脂質32.1g、タンパク質44.2gです。(カロミル調べ)
オートミールのいい点は水分を吸ってかさが増すこと。白米の場合、同じ炭水化物にするためには約100gの子ども茶碗1杯分しか食べられません。マヨネーズを足す理由は、脂質を多くすることで朝から必要なエネルギーを脂質で摂ってエネルギー不足を防ぐためです。
朝から炭水化物を少なくすることで体が中性脂肪を主に使用する状態にします。これをすることで体の中性脂肪が足りなくなると体脂肪からとりだしてエネルギーを使います。
タンパク質と脂質の組み合わせが痩せやすいまとめ
いつも何気なく食べている食べ物でも、栄養素によって痩せやすい太りやすいがあるんですね。
炭水化物、脂質、タンパク質の食べる組み合わせをうまく使い分けることで健康的にダイエットを行うことができます。健康のための食生活は表面的なことは変わりやすいですが、栄養素の基本的なことを抑えていると情報に惑わされず正しいことを行えます。
健康できれいにダイエットするために、食事の栄養素の組み合わせを工夫してみてはいかがでしょうか?
食事の組み合わせ以外にも考え方や基本のダイエット方法について解説しています。
≫【ダイエット30代】体重90kgが食べながら1年で10kg体重を落とす5つの方法【皮がたるまない】
以上!おわり!
参考: